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「津田青楓像」 自信と速度が作品の中で生きる |
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この作品は、第38回新制作展(1974年)に出品した頭像5点の中のひとつです。モデルとなった津田青楓が95歳のときに制作した頭像です。 この作品について匠秀夫氏との対談で、「津田青楓さんの顔、あれは1時間半」で完成したと語っています。さらに本郷は、「もう2時間やるとずいぶん違う。津田青楓さんなんかだと95歳ですからね。モデルになって、30分もじっとしていないですよ。とうとう向こうで絵を描きだして、作者の僕の顔を描いているんだ。その顔を僕が見ながら作る。1時間半で終わり、疲れるから。それでちゃんとできるわけですよ。そうゆう何か調子があるんですね。長くやってもダメになることがある。よくある。そしてそのダメさがよくわかってぶち壊しちゃうんですね。僕はだいたいあんまり突っ込むとダメなほうです。勢いに乗じて、グイグイいったほうがいいんです。」とも語っています。 晩年の本郷の作品はこの言葉のように、短時間で完成した作品が多く見受けられます。若い頃に時間をかけた抑制のきいた作品に対して、これらの作品は、生命感に溢れた勢いが感じられます。野外彫刻などの大作も、人の3分の1くらいのスピードでつくっているとも語っています。「自信と速度が作品の中で生きる」とも本郷は指摘しています。 美術館では、制作中の作家同士の緊張感に満ちた1時間半を伝える制作の素描と、津田青楓がモデルをしながら描いた素描が収蔵されています。 津田青楓(1880−1978)は、京都生まれ。本名亀治郎。はじめ谷口香 津田の美術館が山梨県笛吹市にあります。青楓美術館の展示室には、この頭像が展示されています。 (2006年3月1日 札幌彫刻美術館 学芸員 井上みどり) >>作品一覧へ戻る |
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