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緑の賛歌 両手を空に向かって伸びやかに振り上げ |
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背中あわせのふたりの裸婦が、両手を空に向かって伸びやかに振り上げ、台座から今にも動き出しそうに一歩踏み出した動きのある立像です。両者の手の表情には、本郷独自の優雅さがあります。手の動きと片足を一歩台座から踏み出そうとする表現は、空間をより大きく見せる運動の連続性と今にも踊りだしそうな躍動感がみなぎっています。「緑」を高らかに謳いあげるテーマが充分生かされた作品といえます。 「緑の賛歌」を制作する過程は、ドキュメント映画「創る」(カラー 30分、柳川武夫監督、1973年8月完成)で見ることができます。映画では、稚内の「氷雪の門」、広島の「嵐の中の母子像」、京都の「わだつみ像」等の野外彫刻や、「緑の賛歌」の設置場所の下見、デッサンによる形の追求、それに基づく粘土像の制作、石膏取りと彫刻の制作過程が除幕式まで記録されています。制作に向かう本郷の厳しい表情や、休日に釣りを楽しむ様子など本郷の人となりがあらゆる角度から紹介されています。ご希望いただいた時には、札幌彫刻美術館会場では随時上映いたします。 「緑の賛歌」は、いつもは札幌彫刻美術館の記念館1階の石膏原型室に2体並べて展示していますが、今回の「生誕100年本郷新展」の芸術の森会場に1体展示するために移設されました。「緑の賛歌」は、大きさからいっても芸術の森会場における見所の一つになっています。 出品のために記念館から搬出しましたが、狭い記念館の中から移動するのですから大変な作業になりました。これまでほとんど、記念館から出たことのない作品です。4つに分割されるのは外観からわかりますが、安全に分割するため細心の注意が払われました。無事分割された時は、ほっと胸をなでおろしたのが正直な感想でした。芸術の森会場では、それをまた組み立てたのですから、「無事立ちましたよ」という連絡は、何よりうれしいものでした。 彫刻は、展示空間によって印象が随分変わります。芸術の森会場の広い展示室に設置された「緑の賛歌」は、のびのびとしているようです。この機会に是非、多くの方にご覧頂きたいと思います。 今回の展覧会が終了すると、また同じ作業が待っています。どうぞ、無事記念館に戻ってほしいと祈っています。 (2005年6月1日 札幌彫刻美術館 学芸員 井上みどり) |
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