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本郷新のキリスト像 十字架に貫かれ分断された身体の造形は、十字架とキリストの一体感を表現 |
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| 最晩年体調を崩し入退院を繰返した本郷は、体力を必要とする彫刻制作はできませんでした。しかし、旺盛な創作意欲にかられた本郷は新たなテーマに取組みました。それがキリスト像でした。
最初は一般的な磔刑図でしたが、その後キリストの胴体部分を分断させました。十字架に貫かれ分断された身体の造形は、十字架とキリストの一体感を表現しています。様々なアイデアを描いた素描は、人類の全ての原罪を負って十字架にかけられたキリストを彫刻にしようと試みた過程です。両親が信者である家庭で育ち幼い頃教会に通った記憶が、このような造形を描かせたのでしょうか。 本郷は、回復後に彫刻にすることを願いながらキリスト像を何枚も描きました。周囲の家族やお見舞いに来た友人に「新しい発想だ」、「回復したら粘土でつくりたい」と語っていました。末期の癌という不治の病を患い、残りの時間があまりなく彫刻にできるほど体力は戻らないことを知っていた周囲の人たちは、切ない思いで本郷の構想を聞いたのでしょう。 次男の淳氏は、「父は彫刻家こそ人類至高の職業だと思っていた人です」と語っているように、最期の一瞬まで創作意欲を持ち続け彫刻家として生きたのではないでしょうか。 2月13日、本郷はキリスト像を彫刻にする体力が戻らぬまま10数枚のデッサンを遺し74年の生涯を閉じました。 (2006年4月1日 札幌彫刻美術館 学芸員 井上みどり) >>作品一覧へ戻る |
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