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■ 館長のあいさつ
平成22年度のごあいさつ
本郷新記念札幌彫刻美術館
館長 佐藤 信
館長就任1年が過ぎました。
前回ご紹介した「彫刻の道」で出会うブロンズ“奏でる乙女”が東京の六本木交差点にもあるというので、上京した際に訪ねてきました。夕方の6時。首都高速3号線の下、たくさんの人が行き交う六本木交差点。確かにあの少女がギターを奏でていました。思わず写真を撮っていたのですが、気付くと、通行人が不思議そうに私を見ていました。都会の真ん中で何の違和感もなく溶け込んでいる《奏でる乙女》と、宮の森の静かな住宅街に溶け込む姿が重なり、不思議な気持ちでした。
話は変わりますが、昨年の12月、札幌西高の先輩である版画家澤岡泰子さんの個展を二子玉川の高島屋デパートへ観に行きました。その足で世田谷美術館へ行こうとデパートを出ると、見覚えのあるブロンズ像があります。まぎれもなく本郷新の作品《鳥の碑》でした。野外彫刻だからこそこのような出会いができるんだ…と感動しながら、足取りも軽く世田谷美術館へ向かいました。
ところで、《奏でる乙女》に話を戻しましょう。私は、宮の森の石畳道路、「彫刻の道」が大変気に入っており、どんな経緯で「彫刻の道」が生まれたのか調べてみました。
札幌市では、閑静な住宅街の中にも高級感を漂わせるこの地区周辺を、美術館にふさわしい景観にするため、芸術の香りを感じさせる“美術館に通じるアプローチ道路”をイメージし、「宮の森モール・彫刻の道」の道路整備を行いました。そして、その際、路上のポケットパークに本郷新の《奏でる乙女》を設置し、「彫刻の道」のシンボルとしたのです。さらに、「彫刻の杜」小公園(通称なまこ山)の遊歩道出入り口二か所にも、本郷新制作の《鳥
を抱く女》と《太陽の母子》を設置しました。
これらは『札幌市都市景観賞』と建設省の『手づくり郷土賞』を受賞しています。
「彫刻の道」を歩いたことのない方は、ぜひ一度足を運んでみてください。4月から記念館の展示スペースを広げ、本郷新のアトリエの雰囲気が伝わってくる空間づくりを工夫してみました。どうぞゆっくりとおくつろぎください。

《奏でる乙女》 《鳥の碑》 《わだつみのこえ》
佐藤館長「就任あいさつ」(2009年4月1日就任)
川合館長「就任あいさつ」(2006年4月1日就任,2009年3月31日退任) | |