2007年新春1月の開館の日に私の教え子の5年生のサヤカちゃんが、ご両親と共に札幌彫刻美術館を訪れたという話を聞いて私はすっかりうれしくなった。4、5年生と持ち上がって足かけ2年もこの美術館と仲良しの子どもたちは彫刻家本郷新の生誕101年のバースデイである12月9日に向けて、大きなデコレーションケーキを紙で作り、その上に、彫刻家艾沢詳子先生に教えていただいた「無辜の民のオマージュ」を紙とロウで作った物をクリーム代わりに載せていた。ケーキの電飾は宵闇に映えてクリスマスコンサートに華を添えた。
サヤカちゃんはこの美術館の本郷新の作品が大好き。「花束」は紙と段ボールで友だちと必死になって「復元」していた。「花束」はブロンズ像なのだが、足が細く軽やかに立っている。でも子どもたちが作った「花束」は、何度も何度も倒れて、立てるのが大変だった。それだけでも本郷新とはなんて偉大なんだろう、と思ったのだった。そのサヤカちゃんが、年賀カードを館長と本郷家に届けに新春の彫刻美術館に来てくれたのだ。
本郷新生誕101年、死して27年。子どもたちにちゃんとメッセージを届けてくれるこの偉大な彫刻家の笑顔の写真と作品に会えることは幸せなことだ。
川合館長さん、森川主任さん、井上学芸員さん、大場さんたちの温かな「いらっしゃい!」の一言がこの子どもたちを支え、育ててくれる。
南区からは山を越えてこなけれならない。ここまでは随分遠いんだよ。でもやっぱり会いに来たくなる彫刻と本郷新、そして支える美術館の人々のやさしさにあふれたこの場所、みんなに知ってほしいけど、教えたくないなあ。
でもどうして、20キロも離れた札幌彫刻美術館に定山渓の近くの学校の子どもたちが来ることになったか、って?それはまたこの次のお話です。
佐藤広也
学び探偵団アニマシオンクラブ世話人・フツーの小学校教師・北海道教育大学非常勤務師 「いつも心は探偵団」をモットーに授業を組む。著書に「子どもたちはワハハの俳句探偵団」(旬報社)「動物園のアニマシオン」(柏書房)。「初めてのアニマシオン 一冊の本が宝島」「ぼくらは物語探偵団」(共著、柏書房)。札幌彫刻美術館についての論考は「学力を変える総合学習」(共著、明石書店)。三角山小学校時代からはまっております美術館、動物園、ウインタースポーツミュージアム、芸術の森。
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